一般的に『肩こり』とは、「首筋から肩、背中にかけての鈍い痛みや重い感じ、筋肉のこわばりなど」をまとめて呼び、これが悪化すると引き続き頭痛や吐き気、目の違和感などを伴う事になります。
そのメカニズムは、筋肉への酸素の供給不足や乳酸などの老廃物の蓄積が原因と言われ、長時間の同じ姿勢や緊張を強いられる仕事、デスクワーク、筋力の低下、睡眠不足、疲労、ストレス、運動不足などにより更に助長を来たすようです。
さて、『肩こり』は我々にとって最も身近な生活習慣病の一つであり、最近では小学生が肩こりで病院を受診する事も珍しくありません。
さらに人種別にみても、日本人は「世界一の肩こり民族」で、約9割の日本人が肩こりに悩んだ経験があると言われており、ストレス社会に生きる日本人の持病と言っても良いでしょう。
一方この肩こりの治療に対して、整形外科的には『痛み止め』や『筋弛緩剤(筋肉を和らげるお薬)』、さらにシップ、局部注射、リハビリテーションなどが中心に行われています。
また婦人科領域では、『肩こり』が更年期障害の一つの症状と見なされれば、ホルモン補充療法を行う施設もあるようですが、副作用として乳癌や子宮癌を発生させるという問題が懸念されます。
一般的な整形外科的治療を行って改善するなら一件落着でありますが、時として治療効果があがらない患者さんも目にする事があり、なかなか簡単には解決しません。
そこで、漢方薬の出番です。
『肩こり』の漢方薬は葛根湯(かっこんとう)が有名ですが、胃腸が弱い方にはお勧めできません。
また、体質的に肩こりを起こしやすい方やストレスによって悪化しやすい方には、その原因を突き止めてからそれに合った漢方薬を内服して頂く事が必要です。
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